NASDAQ100投資信託の信託報酬率
NASDAQ100投資信託の信託報酬率は、長らく0.4%台でした。
S&P500投資信託の信託報酬率は0.1%以下であり、NASDAQ100の信託報酬率は相対的に高かったのです。
この状況を変えてくれたのが、新NISA開始前に新規設定された、信託報酬率0.2%台のSBI・インベスコQQQ・NASDAQ100、ニッセイNASDAQ100、楽天・NASDAQ100です。
2024年3月時点のNASDAQ100投資信託の信託報酬率は、以下の表のとおりです。
ファンド | 信託報酬率 |
iFreeNEXT NASDAQ100 | 0.495% |
eMAXIS NASDAQ100 | 0.440% |
SBI・インベスコQQQ・ NASDAQ100 | 0.2388% |
ニッセイNASDAQ100 | 0.2035% |
楽天・NASDAQ100 | 0.198% |
信託報酬率の差が長期投資に及ぼす影響
新NISAで投資するファンドを選定するにあたって、注意しておきたいポイントは、信託報酬率の差です。
新NISA制度を活用して資産形成をする人の多くは、短期売買ではなく、NASDAQ100のように歴史的に見て右肩上がりのインデックスファンドを、長期保有されると思います。
上記の表のとおり、NASDAQ100投資信託の信託報酬率は、最近かなり低コストになってきました。
短期間の投資であれば、ファンド運営会社に支払う信託報酬額の違いは、誤差程度でしょう。
しかし数十年という長期保有になれば、一定の影響が出てきます。
信託報酬率の差が長期投資に及ぼす影響を調べるため、次の条件で信託報酬積算額の推移をシミュレーションします。
- 投資額:600万円(新NISAつみたて投信枠の上限)
- 年利:10%
運用 年数 | 信託報酬額(ファンドに支払うコスト)の推移 (単位:円) | ||||
iFreeNEXT NASDAQ100 | eMAXIS NASDAQ100 | SBI・ インベスコQQQ・ NASDAQ100 | ニッセイ NASDAQ100 | 楽天・ S&P500 | |
5年 | 19,945 | 17,729 | 9,622 | 8,200 | 7,978 |
10年 | 52,068 | 46,282 | 25,119 | 21,406 | 20,827 |
15年 | 103,801 | 92,267 | 50,076 | 42,674 | 41,520 |
20年 | 187,117 | 166,327 | 90,270 | 76,926 | 74,847 |
25年 | 321,300 | 285,600 | 155,003 | 132,090 | 128,520 |
30年 | 537,402 | 477,691 | 259,256 | 220,932 | 214,961 |
35年 | 885,437 | 787,055 | 427,156 | 364,013 | 354,175 |
40年 | 1,445,950 | 1,285,289 | 697,561 | 594,446 | 578,380 |
2024年3月時点で、純資産額が最大のiFree NEXT NASDAQ100と、信託報酬率が最小の楽天・S&P500を比較すると
- 運用年数20年で、信託報酬額の差は約11万円
- 運用年数40年で、信託報酬額の差は約87万円
以上のようなシミュレーション結果となりました。
投資開始時の銘柄選定で、ファンドに支払う信託報酬額にこれだけの差が出るということが確かめられました。
今回のシミュレーションは年利10%と控えめな仮定をしましたが、NASDAQ100の平均年利はかなり高いので、運用益に比例する信託報酬額は、もっと大きくなるかもしれません。
大きいリターンを得るために大きいリスクを負うというならば話は別ですが、同じ指数を採用するファンドであれば、より信託報酬の低いファンドを選んでおいて損は無いでしょう。
ただ、銘柄選定に際して、見るべきポイントは信託報酬だけではなく、純資産額も重要です。
純資産額が小さいと、ファンド運営が安定せず、信託報酬のように明示されているコスト以外にも、隠れコストが発生する可能性もあります。
純資産額も含めたNASDAQ100投資信託の銘柄比較は、以下の記事で解説しています。
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