飛行機は好きでした。座ってゆっくりできるし、何より速かったから。
当時は、移動時間=無駄、と考えていたので、少々料金が高くても、好んで飛行機を選択していました。
大学院生になるまでに、ゆうに100回はフライトしていました。
飛行機での不安といえば、大好きなコンソメスープを、寝過ごして飲み損なうこと、それくらいでした。
今回は初めての国際線、学会発表でエジンバラに行くのです。
英語が全くダメなので学会発表は不安でしたが、ある意味初めての海外旅行、それは楽しみでした。
もちろん直行便は高いので、香港でトランジットする経路を選びました。
香港からヒースローまで13時間もかかるのは退屈だなと思いましたが、不安とかは無かったのです。
関空から4時間ほどで香港に到着。
トランジットもスムーズで、ヒースロー行きの便に乗り込みました。
窓側の席、やや天井が低く窮屈に感じられました。
飛行機は円筒形なので窓側の天井が低いのは当たり前なのですが、初めてそんな些細なことが気になってしまいました。
この狭いスペースで13時間、ちょっと嫌だな。
あれ?なんか急に落ち着かない気分になってきた。
何かよくわからないけど、すごく降りたくなってきた。
まだ搭乗中だから、今なら降りられるかもしれない。
いやでも、降りてどうするんだ?
それより、降ろして下さいなんて恥ずかしいことが言えるか。
そんな恥ずかしいこと言うくらいなら、舌を噛み切ってしまえ。
そうすれば恥ずかしいことをせずに済むから。
そうこうしているうちに、搭乗を終えた飛行機は滑走路へ移動し、離陸しました。
降りるという選択肢が無くなる(そんなモノは端から無いのですが)と、不安は消えました。
機内食を終えると眠くなり、夢の中へ。
あの不安の正体は何だったのか。
結局わからなかったけど、夢の内容はロシアの空港に途中下車(?)し、降りられた私は安堵するといったものが繰り返されました。
別にロシアに用事は無いのですが。
欧州からの帰りは順調でした。
いや、香港でのトランジットで関空行き飛行機のダブルブッキングに巻き込まれたので、一般的にはこちらの方が順調ではなかったのですが、結果ファーストクラスに乗ることとなり、席て待ってくれているシャンパン、機内とは思えない贅沢なコース料理に感動しました。
この素晴らしい思い出で、往路の違和感は上書き消去された、はずでした。
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