Contents
レバナスとは
米国のNASDAQ市場の株式指数にレバレッジを掛けた投資信託等は、通称レバナスと呼ばれています。(レバレッジとは、値動きを2倍3倍と大きくする仕組み)
NASDAQ市場は、ハイテク企業や新興企業といった景気敏感な企業が数多く上場しているので、その株価指数の値動きは激しいことで知られています。
元々値動きの激しいNASDAQ市場の株価指数をレバレッジ効果で倍にするレバナスは、コロナ禍の量的緩和政策で株価が急上昇していた2020年頃から大変注目を集めていました。
しかし、2022年からの米国利上げショック等の影響を受けて、レバナスは暴落しました。
レバナスの低迷は長く続き、さらに新NISAの対象商品とはならなかったこともあって、2020~2021年頃のレバナスブームは終了したかと思われました。
そして2024年、米国の利下げ観測、AI革命や高性能半導体需要等で好調な企業業績によって、ハイテク株は再び上昇を開始し、2月下旬にはNASDAQは史上最高値を更新しました。
このような市場動向を反映して、新NISAでもオルカン・S&P500に比べて、ハイテク株の比率が高いNASDAQ100・FANG+・SOX(半導体)指数に連動した投資信託の人気が高まっています。
新NISAの対象外であるにも関わらず、レバナスへの資金流入も増え始めています。
課税されるというデメリットはありますが、FANG+やSOXのように投資対象を絞り込むリスクが少ないというメリットもあります。
分野特化型指数よりNASDAQ100指数が好き、時価総額加重平均による銘柄入替・比率変動が安心できる、しかしFANG+やSOXのようなハイリターンが欲しい。
そのような方には、特定口座でのレバナス投資も、魅力的な選択肢かもしれません。
積立投資によるドルコスト平均法
基準価格が日々値動きする投資信託等を、一定の金額で積立投資する方法のことをドルコスト平均法と呼びます。
投資信託等を一括投資ではなく、時間分散して積立投資することによって、基準価格が低い時の購入口数は多くなり、高い時の購入口数は少なくなります。
長期的な価格変動リスクを低減させるのに有効な方法です。
本記事のレバナス積立投資(ツミレバ)によるドルコスト平均法の効果は、上表のとおりです。
設定日(2021年11月16日)は、「積立金額(受渡金額)=投資信託の口数」となっています。
数日後の11月25日は、レバナスの基準価格(単価)が上昇したため、3万円入金しても29,389口しか買えませんでした。
それ以降は、米国利下げショックでレバナスの基準価格が暴落していき、2022年12月23日には3万円入金して76,104口も買えました。
このころはレバナスのトータルリターンが黒字になる日なんて来るのだろうかと不安でしたが、今振り返るとバーゲンセールだったのですね。
楽天レバナスの運用成績
レバナス積立投資を始めてから2年8ヶ月が経過した2024年6月時点の運用成績は以下のとおりです。
【運用商品】楽天レバレッジNASDAQ-100(レバナス)
【運用期間】2021年11月(楽天レバナス設定月)~2024年6月(現在)
【トータル投資額】795,000円
【トータルリターン】559,316円(70.35%)
上段のトータルリターンのグラフが示すように、ここ数ヶ月で運用成績が大きく伸びています。
2024年4月時点のトータルリターンが47.61%、そして6月が70.35%ですので、やはり株価上昇時のレバナスの成長力は驚異的なものがあります。
楽天レバナスの基準価格が2年8カ月ぶりに当初価格の10,000円へ回復
楽天レバナスは、アフターコロナの金融緩和政策等の影響で米国株価が好調だった2021年11月に設定されました。
しかし翌年2022年1月からインフレ対策として米国利上げ政策が始まったため株価は一気に下落し、楽天レバナスの基準価格は、下落方向にレバレッジがかかり暴落しました。
私の場合は積立投資、ツミレバをしていたので、2023年5月頃には黒字回復していたのですが、楽天レバナスの基準価格は2024年6月にようやく黒字回復しました。
基準価格の推移は下のグラフのとおりです。最大で65%程度下落していていたのですね。
2022~2023年のレバナス低迷期に、絶望して損切売却せずに耐えていて、本当に良かったなと感慨深いものがあります。
円高ドル安になっても、為替ヘッジ有りの楽天レバナスは安泰
記録的な円安が圧力となり、日本も7月の日銀政策決定会合あたりで金利を上げそうな雰囲気があります。
また、当初予想より大幅に遅れている米国の利下げも、インフレの鈍化傾向や大統領選挙の影響もあって、そろそろ始まるとの観測もあります。
日本の金利上昇&米国の金利低下という局面となって、日米の金利差が縮小すると、円高ドル安になる可能性があります。
円高ドル安になると、新NISAで人気がある為替ヘッジ無しの投資信託は、株価上昇と為替が相殺されて基準価格が上がりにくくなります。
2022年の米国利上げショックでは、為替ヘッジ有りの楽天レバナスは、株価下落と円安ドル高のダブルパンチを受けて大きく下落しました。
対照的に、為替ヘッジ無しのeMAXIS Slim S&P500等は、株価下落と円安ドル高が相殺されて、下落の影響が局限されました。
しかし、2024年が株価上昇&円高ドル安となれば、2022年の米国利上げショックとは逆の構図が展開されるかもしれません。
為替ヘッジ有りの楽天レバナスは、円高ドル安となっても安泰ですね。