Jテック+とは
Jテック+とは、フィデリティ・テクノロジー厳選株式ファンドの愛称です。
日本のテクノロジー関連企業の株式を主要な投資対象としています。
私はiDeCoとつみたてNISAで米国株のインデックスファンドを購入しています。
理由は日本株のインデックスファンドよりパフォーマンスが良かったからです。
投資目的が将来へ向けての資産形成ならば、米国株一択だと思って投資しています。
他方、退職金運用する際には、日本株投資も考えています。
分散、為替、株主優待とかいろいろ理由はありますが、やはり株式投資への興味が年々強くなっていった中で、投資対象の企業の顔が見える日本株もやってみたいと思ったのが、Jテック+を購入した最大の理由です。
シンプルに日経225やTOPIXのインデックスファンドを選ばなかったのは、Jテック+は米国のFANG+のように少数のテクノロジー関連企業を高い比率で組み入れているため、企業の顔を見るのに都合が良かったのです。
組入上位10銘柄 | 会社概要 | 比率(%) |
東京エレクトロン | 半導体製造装置の世界大手で、 コータ/デベロッパ、エッチング、 成膜装置等の前工程に強み。 | 13.7 |
キーエンス | ファクトリー・オートメーション用 センサー等を製造・販売。 | 13.7 |
村田製作所 | 電子部品大手でセラミックコンデンサ に強み。 | 8.8 |
野村総合研究所 | 幅広い業種にコンサルティングや ITソリューションサービスを展開。 | 4.7 |
パナソニック ホールディングス | 総合家電の大手。電子部品や車載向け リチウムイオン電池の開発、販売にも 注力。 | 4.6 |
オービック | 情報システムインテグレータ企業。 自社開発・直接販売による一貫提供 のサービスに強み。 | 4.5 |
レーザーテック | 半導体向けマスクの欠陥検査装置を 中心に製造・販売。 | 4.1 |
ニデック | 自動車、家電向けのモータを製造。 ハードディスク向けモータなど、 多くの部品でトップシェア。 | 4.1 |
アドバンテスト | 半導体試験装置大手。 優れた電子計測技術を基にテスト・ システム周辺機器等を製造。 | 3.8 |
ルネサス エレクトロニクス | 車載用マイクロプロセッサで 世界トップクラスのシェアを持つ。 | 3.2 |
Jテック+の値動きを検証
Jテック+の組入銘柄には、日本を代表する錚々たるハイテク企業が名を連ねています。
5G・IoT、ロボット・工場自動化、自動運転・次世代自動車、半導体サプライチェーンという投資対象分野、右肩上がりの未来が見えます。
このJテック+が想像通りの成長曲線を描くのかどうかを検討するため、実際に購入して値動きを検証しました。
検証期間は、2021年12月~2023年12月の2年間です。
検証期間がちょうど米国の利上げショックで、特に景気敏感なハイテク株には厳しい局面となってしまいました。
2023年に入って米国の利上げが落ち着いてくると、基準価格が回復してきました。
市場予想どおり2024年から米国の利下げが始まれば、我が国の半導体産業強化策と相まって、利上げショック前のような右肩上がりの値動きが期待できるかもしれません。
Jテック+には日本版FANG+のような高成長を期待
2024年から新NISAが始まります。
米国の利下げ開始予想もあり、米国株の成績は軒並み好調です。
投資先としてS&P500、NASDAQ100、FANG+等の米国株ファンドを選択する方も多いと思います。
人気のあるオルカンにしても、組入上位銘柄はほとんど米国企業なので、ポートフォリオ全体の米国依存度が高くなっている可能性があります。
私もつみたて投信枠でS&P500ファンド、成長投資枠で日米の高配当ETFを購入していきますので、米国の比率が高いのです。
もちろん、米国の優位性が揺らぐようなことはそうそう考えにくいのですが、いわゆる「〇〇ショック」であったり、金利や為替等の関係で、数年間~十数年間程度の不況や円高ドル安などが訪れる可能性は否定できません。
そのため、当ブログでは日本高配当ETFの活用を推していますが、日米を問わず高配当銘柄には配当性向が高い企業が多く組み入れられており、NASDAQ100、FANG+のようなテクノロジー関連企業は少ないのです。
日本でこのような企業に投資したいと思ったときに、Jテック+はその受け皿になり得るでしょうか。
今回の検証では、残念ながら米国の利上げショックを完全に受ける形となり、S&P500、NASDAQ100、FANG+も大きく値を下げる中で、Jテック+の成績も芳しくありませんでした。
しかし、過去チャートを見てみると、必ずしもS&P500を劣後するファンドでは無いことが分かります。
これはJテック+(青線)とeMAXIS Slim S&P500(橙線)の過去5年間の基準価格推移を比較したものです。
2020年初のコロナショック前後を見ると、Jテック+はS&P500よりハイテク株らしい高成長曲線を描いています。
近年は米国利上げショックや歴史的な円安ドル高もあって再びS&P500を劣後する場面も散見されますが、王者S&P500相手に健闘しているようにも見受けられます。
新NISAでS&P500をコアとし、NASDAQ100やFANG+をサテライトとして考えているが、少し米国偏重なのが気になる。
そのような方には、日本が得意とする「半導体製造装置」「ロボット・工場自動化」「高性能電子部品」等に対し、あたかもFANG+のように集中投資するJテック+は有力な選択肢になると思います。