新NISAの成長投資枠で日本高配当ETFを運用
新NISAの投資方針を検討した結果、つみたて投信枠ではS&P500連動の投資信託、成長投資枠で日本高配当ETF・米国高配当ETF・ADR銘柄を購入することにしました。
新NISAの投資戦略|S&P500投資信託と日米高配当ETFの組合せ
Contents投資目的と投資方針つみたて投信枠ではS&P500投資信託修正:投資先をeMAXIS Slim S&P500から楽天・S&P500へ変更成長投資枠では日米の高配当 ...
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このうち、日本高配当ETFについては米国高配当ETFに比べて税制面で有利であり、経費率は劣るものの利回り・増配率・株価上昇率といったパフォーマンスでは引けを取らなかったことから、残る課題は日本高配当ETFと米国高配当ETFの保有比率を決めること、さらに日本高配当ETFの採用銘柄相互の保有比率を決めることです。
これらの判断材料として、新NISAへの入金(成長投資枠の年間投資上限は240万円、上限1200万円までの最短入金期間は5年)を継続する間、日本高配当ETFの利回り変動を定期的に調べることにしました。
新NISAの税金|配当金課税される米国ETFと非課税の日本ETF
Contents新NISAでも米国高配当ETFは課税される課税有無が日米高配当ETFの分配金に及ぼす影響まとめ 新NISAでも米国高配当ETFは課税される 2024年から新NISAが始まります。 新N ...
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日本高配当ETFの配当利回り比較(2023.11)
日本高配当ETFの2023年11月時点の配当利回りを表にまとめました。
比較のため、2023年10月の配当利回りを( )内に記載しています。
コード | 名称 | 配当利回り | 2018年からの 株価上昇率 | 5年平均 増配率 | 保有上位銘柄(%) | 特徴 |
1489 | NF日経 高配当50 | 3.66-0.31=3.35% (3.83-0.31=3.52%) | 39.30% (36.37%) | 18.92% | 【50銘柄】ソフトバンク(3.8)、JT(3.6)、三井住友 FG(3.6)、武田薬品工業(3.6)、三菱商事(3.4)、日本 郵船(3.3)、野村HD(3.3)、みずほFG(3.2)、三菱UFJ FG(3.1)、東京海上HD(3.0) | 日経平均株価の構成銘柄のうち、予想配当利回 りの高い原則50銘柄で構成される株価指数。 予想配当利回り及び流動性を加味したウエート を用いる。 |
1494 | One高配当 日本株 | 3.00-0.31=2.69% (2.82-0.31=2.51%) | 30.82% (27.40%) | 48.59% | 【40~50銘柄】大和工業(3.2)、 三井金属鉱業 (2.9)、ENEOS(2.9)、日本曹達(2.8)、東ソー (2.8)、 ジャフコ(2.8)、インフロニア(2.7)、 サンゲツ(2.7)、ARE(2.6)、 電源開発(2.6) | TOPIXの構成銘柄のうち、10年以上毎年増配 しているか、安定した配当を維持している40 ~50銘柄を対象とした株価指数「S&P/JPX 配当貴族指数」との連動を目指すETF |
1577 | NF 日本株 高配当70 | 3.37-0.35=3.02% (3.40-0.35=3.05%) | 21.01% (17.65%) | 10.73% | 【70銘柄】ヤマハ発動機(2.2)、INPEX(1.9)、 三菱ケミカルHD(1.9)、豊田通商(1.9)、住友 化学(1.8)、セイコーエプソン(1.7)、野村 不動産HD(1.7)、三井物産(1.7)、 飯田GHD (1.7)、ブリヂストン(1.6) | 国内⾦融商品取引所に上場する全ての普通株式 のうち、今期予想配当利回りの⾼い、原則 70 銘柄で構成される等⾦額型の指数である「野村 ⽇本株⾼配当70指数」との連動を⽬指すETF |
2564 | グローバルX スーパーディ ビィデンド 日本株式 | 4.26-0.43=3.83% (4.59-0.43=4.16%) | 5年未満 | 5年未満 | 【25銘柄】川崎汽船(5.4)、リョーサン(4.6)、 飯野海運(4.5)、大和工業(4.4)、日本特殊陶業 (4.4)、NSユナイテッド海運(4.4)、商船三井 (4.3)、奥村組(4.2)、石油資源開発(4.2)、 日本郵船(4.2) | 配当性向や配当継続性、財務指標の要件を満た した銘柄の中で、配当利回りが高い銘柄で構成 される指数「MSCIジャパン高配当利回りイ ンデックス」から各セクターの上限数を決めて 配当利回りの高い25銘柄を選定し、1銘柄 あたり4%でポートフォリオを構成 |
※ 青太字は前月比上昇、赤太字は前月比低下
分配金増配シミュレーション(1489・1494・1577)
唯一4%以上の配当利回りを維持していた2564が、今月3.83%となってしまいました。
しかし、「新NISAで年利4%の配当を出すポートフォリオ実現する」という投資目標は、不可能になったというわけではありません。
株式の利回りは、購入時の利回りで固定されることはなく、その後も増配・減配と変動します。
これを増配率といい、上記表では「5年平均増配率」を記載しています。
今月の配当利回りで購入したETFが、今後も「5年平均増配率」のとおり分配金増配した場合のシミュレーションを行いました。
保有年数 | 1489 配当利回り:3.35% 5年平均増配率:18.92% | 1494 配当利回り:2.69% 5年平均増配率:48.59% | 1577 配当利回り:3.02% 5年平均増配率:10.73% |
1年 | 3.98% | 4.00% | 3.34% |
2年 | 4.74% | 5.94% | 3.70% |
3年 | 5.63% | 8.83% | 4.10% |
4年 | 6.70% | 13.11% | 4.54% |
5年 | 7.97% | 19.48% | 5.03% |
このように、3年間保有していれば上記3つの銘柄全てで利回り4%以上を達成できるとの試算結果になりました。
直近5年間の増配率は高めの傾向であり、10%以上の増配率を今後も長期で維持できるかはわかりません。
しかし、この3銘柄は個別株ではなくETFですので、定期的に保有銘柄が入替されるので安心です。
ただ、分散の程度は約50社と少ないので、ポートフォリオ全体の利回り安定性を高めるために、先程の配当利回り比較表に記載した「保有上位銘柄」や「特徴」を参考に、複数のETFを組み合わせて相互補完させると、より安心な配当生活につながるでしょう。