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東証上場米国ETFとは
東証上場米国ETFとは、東京証券取引所に上場されている米国株等を投資対象としたETFのことです。
2024年から始まる新NISAを機会に、米国のS&P500指数に連動するインデックスファンドに投資する予定の方も多いと思います。
S&P500指数連動銘柄と取り扱っている商品には、投資信託(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)等)、米国上場ETF(VOO 等)のほかに、この東証上場米国ETFがあります。
どの商品を選択するのが良いのか、指数(S&P500)は同じなので、それ以外の税率や信託報酬等の違いを比較していきます。
投資信託、東証上場米国ETF、米国上場ETFを比較
S&P500指数連動銘柄を新NISA口座で運用した場合の税率
分配金にかかる税率 | 売却益にかかる税率 | |
投資信託 | 米国税:10% 米国で自動再投資されるため、日本税は無し | 米国税:非課税 日本税:非課税 |
東証上場米国ETF | 米国税:10% 日本税:非課税 | 米国税:非課税 日本税:非課税 |
米国上場ETF | 米国税:10% 日本税:非課税 | 米国税:非課税 日本税:非課税 |
新NISA口座では、税率の差はありませんでした。
新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠の2つの投資枠で構成されており、上限額が決められています。
投資信託はどちらの枠でも投資可能ですが、東証上場米国ETFと米国ETFは成長投資枠でしか投資できません。
成長投資枠の方が対象商品が多いため、新NISAで投資信託以外にも投資を考えている方は、S&P500は投資信託で購入して、つみたて投資枠で運用するのもありですね。
S&P500指数連動銘柄を特定口座で運用した場合の税率
分配金にかかる税率 | 売却益にかかる税率 | |
投資信託 | 米国税:10% 米国で自動再投資されるため、日本税は無し | 米国税:非課税 日本税:20.315% |
東証上場米国ETF | 米国税:10% 日本税:10.315%(二重課税調整制度で米国税10%分差引) | 米国税:非課税 日本税:20.315% |
米国上場ETF | 米国税:10% 日本税:10.315~20.315%(外国税額控除で数%差引) ※ 二重課税調整制度の対象外 | 米国税:非課税 日本税:20.315% |
特定口座では分配金にかかる税率の差が出てきます。
分配金再投資の場合 : 投資信託(10%)>東証上場米国ETF(20.315%)>米国上場ETF(20.315~30.315%)
分配金を受け取る場合: 東証上場米国ETF(20.315%)>米国上場ETF(20.315~30.315%)>投資信託(分配金が出ない)
分配金受け取りが不要ならば投資信託一択。
受け取る場合は、外国税額控除で米国税分が多く返ってくる人(その年の納税額が多い人)なら差は無く、控除が少ない人なら東証上場米国ETFが有利ですね。
S&P500指数連動銘柄の信託報酬等の経費(新NISA口座、特定口座共通)
信託報酬 | 為替手数料・売買手数料 | |
投資信託(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)) | 0.0968% | 無し |
東証上場米国ETF(MAXIS 米国株式(S&P500)) | 0.077% | 無し |
米国上場ETF(VOO) | 0.03% | 為替手数料(1ドルあたり6銭(住信SBIネット銀行)) 売買手数料(0.495%→大手ネット証券では無料) |
これは銘柄によって異なりますが、比較的安価な銘柄を代表例として比較しました。
信託報酬: 米国上場ETF>東証上場米国ETF>投資信託
その他の経費: 東証上場米国ETF=投資信託>米国上場ETF
まとめ
いかがでしたでしょうか。まさに投資目的次第という結果になりましたね。
これから資産形成をしようという方には、以下の理由から投資信託がおすすめです。
- 新NISAの枠を最大限活用できる
- 分配金再投資のロスが少ない
- S&P500指数連動銘柄は、投資信託とETFの信託報酬の差が小さい
他方、分配金を受け取りつつ資産運用をしようという方は、東証上場米国ETFか米国上場ETFか選択することになります。
- 新NISAの枠内で資産運用するなら税率の条件は同じ
- 特定口座を使うなら東証上場米国ETFが有利
- 信託報酬は米国上場ETFが有利
新NISAの枠内で資産運用するなら、信託報酬が小さい米国上場ETFがおすすめです。
特定口座で資産運用するなら、二重課税調整制度の対象となる東証上場米国ETFがおすすめです。
皆様の投資目的に応じて使い分けて下さい。