友人の結婚式に参加するため、前日に大阪から東京へ飛行機で移動しました。
その日は高校時代の仲間と麻雀などして過ごしました。
麻雀なんてものは、勝ったり負けたりで、普段はそんなこと気にもしないのですが、その日はなぜか負けるとイライラが募ってきました。
終わった後も、ケンカ口調の数々。
今思い出しても、よく絶交されなかったなと思うくらいでしたが、友人の結婚式前夜ということもあってか、高校時代の仲間はみんなスルーしてくれていました。
明くる当日、私はスピーチの原稿を起こしていました。
仲間内の結婚式ではスピーチ役を任されることが多く、私も面白くスピーチして皆に楽しんでもらうことが好きだったので、今回も自然な流れで引き受けていたのです。
いつもなら頭の中で要点を3つくらい用意して、あとはその場の雰囲気で話していたのですが、この日はどうにも話せる気がしない。
そうなると急に不安になってきて、ガラにもなく原稿を作ってみることにしました。
万が一真っ白になったら、この紙を懐から取り出して読み上げようと思ったのです。
しかし若さゆえか、紙を見ながらスピーチするのがどうしても恥ずかしく感じられ、式が始まる前には何度もトイレの個室に入って原稿を読み直しました。
しかし、全く頭に入ってこない。
それどころか、文字が流れて読めない。
ついには新婦さんの名前もわからなくなってきました。
そして式が始まりました。
本来の私は日本酒が好きなので、友達がどんどん飲ませてくれます。
そうすると、なぜか落ち着いてきたので、私も勧められるがままに、いや、進んで飲んでいました。
正直どんなスピーチをしたのか覚えていないのですが、恐れていたような大失敗とはならず安心しました。
ただ、この日の飲酒量は尋常ではありませんでした。
式の後は酔いも心地よく、フラフラしながらも空港へ向かい無事に搭乗しましたが、席に座ったとたん突如強い不安に襲われたのです。
酔っているから不安の自制がきかないのか、酔いで気持ち悪いままフライトすることが不安になったのか。
何がどうなのかさっぱりわかりませんが、気がつくと一度トランクに入れた荷物を取り出してCAさんに「今すぐ降ろして下さい!」と訴えていました。
CAさんのエリアで冷水をいただき、降ろすので落ち着くように言ってもらえたと思います。
しかし飛行機が動いていたので、「このまま飛ぶんじゃないですか!」としつこく食い下がる情けない私。
CAさんは、お客様を降ろすために駐機場に戻っているので安心するよう諭してくれました。
そして私は、ひとり空港ロビーに戻りました。
大勢の人に迷惑をかけました。
それだけでも死にたい気持ちですが、身重の妻が待つ大阪に何とかして帰らなければなりません。
何とか新幹線の最終便に間に合いました。
安堵しつつも、新幹線、なんか駅間が長いな、新たな不安を覚えて帰阪したのです。
初めての精神科受診はとても勇気が必要でした(2003年11月)
妻が里帰り出産することとなり、久々の一人暮らし。 博士論文査読の時期であったため、私は大阪に残っていました。 慣れた一人暮らしのはずですが、先日の飛行機搭乗失敗以来、全くおかしくなってしまった私には、 ...
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