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税制上の扶養と社会保険上の扶養は違います|配偶者退職時の体験談

2023年7月23日

税制上の扶養と社会保険上の扶養は違います|配偶者退職時の体験談

配偶者の退職

妻が勤めていた会社を退職することになりました。

10年以上働いた会社でしたが、コロナ禍でのテレワークをきっかけにワークライフバランスを考えていたところ、新たにやりたいことがでてきたため、退職することを決めました。

実際に退職するとなると、いろいろとやらなければならない手続きがありました。

手続きの前提となる、退職前の状況は次のとおりです。

・ 夫婦共働き
・ 妻の年収:約300万円
・ 夫の扶養外

これが退職後、次のように変わります。

・ 夫就職中、妻求職中
・ 妻の今年の収入:半年勤務分の給与等約150万円+失業給付金(年内受領分)
・ 夫の扶養に入る(予定)

税制上の扶養と社会保険上の扶養

早速、私の職場に妻の扶養認定を申請しようとして・・・一時躊躇しました。

妻の今年の収入が既に130万を超えているから、夫の扶養には入れないのでは?と思ったのです。

FP受験の時に扶養の仕組みを勉強したので、久しぶりに教科書を手に取りました。

該当する記載は「ライフプランニングと資産計画」と「タックスプランニング」の2ヶ所にありました。

つまり、扶養には2種類あるので、表にまとめました。

扶養の種類扶養の内容妻の収入制限「年」の起算日
税制上の扶養夫の所得税・住民税に配偶者控除が適用される(妻のおかげで夫の手取りが増える)103万/年1月1日
社会保険上の扶養・夫の健康保険の扶養に入れる(妻は健康保険料を払わなくても保険証が発行され3割負担で受診できる)
・国民年金の第3号被保険者になる(妻は国民年金の保険料納付不要、かつ被扶養期間中は保険料納付したとみなされ年金受給額に反映される)
130万/年退職日

さきほど、「妻の今年の収入が既に130万を超えているから、夫の扶養には入れないのでは?」と躊躇した私は、起算日の概念を忘れていたのです。

「税制上の扶養」については、妻の収入制限オーバーにつき「残念でした、また来年」です。

しかし「社会保険上の扶養」については、起算日が退職日です。自己都合退職のため2か月間の給付制限があるし、給付金の日額も低くなります。

いずれハローワークから届く書類で詳細金額は明らかになりますが、ざっくり試算してみても退職日からの1年間、収入が失業給付金しかない状態で130万/年は余裕をもって下回ります。

喜んでいいのか悲しんでいいのか微妙ですが、ここでは扶養に入れるか否かをテーマにしているので、ひとまず喜ぶことにします。

第3号被保険者の届出は退職日から14日以内に私の職場へ提出しなければなりません。

必要な書類は次のとおりでした。

・ 離職者証明書
・ 住民票
・ 源泉徴収票
・ 基礎年金手帳の写し
・ 雇用保険被保険者離職票

なお、この届出を行った際に「奥様は今年すでに150万円以上の収入がありますので・・・」と不受理になりかけました。

「承知しております。仰るとおり配偶者控除は受けられませんが、年収制限が退職日起算となる健康保険の扶養入りと国民年金の第3号被保険者への種別変更をお願いします。」と規則をおさえて説明したところ、きちんと受理してもらえました。

もしかすると、こちらが勉強していなかったら、まとめて不受理になっていたかもしれません。

他人任せにせず、自分で勉強することは大切ですね。

iDeCoも要変更

こうなると他にも何か抜け漏れがなかったかと心配になりチェックしていたら、iDeCoの変更手続きがありました。

iDeCoも会社員(第2号被保険者)から専業主婦(第3号被保険者)へ変わることにより、変更手続きが必要となります。

iDeCoの手続きはオンラインでは完結せず、郵送による書類の取り寄せに時間を要するため、退職を決めたら早めに書類請求しておくといいでしょう。

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