新NISAで、米国ETF(VYM・SPYD・EDVなど)を購入予定の方は多いと思います。
私も、新NISAの成長投資枠では、米国ETFを購入する予定です。
米国ETFの購入方法は、一般的な投資信託(オルカンなど)とは異なります。
しかし、ネット証券会社の努力のおかげで、初心者でも購入しやすい操作画面になってきました。
シンプルに購入するだけであれば、特に事前の準備は不要で、操作画面に従って購入手続きを進めていけば大丈夫です。
もし、ひと手間かかるけど、お得に購入したい、そのような方には、ぜひこの記事をご覧いただきたいと思います。
Contents
売買手数料と為替手数料をゼロにしよう
新NISAなら売買手数料ゼロ
新NISA開始直前の2023年後半、SBI証券や楽天証券などのネット証券会社が、新NISAでの米国ETF売買手数料をゼロにしました。
これまでも一部銘柄について、売買手数料ゼロにしてくることはあったのですが、全部というのは嬉しい驚きでした。
証券会社としては売買手数料が得られないというのは、収益減につながるので痛手だったでしょうが、新NISAを前にしたユーザーの囲い込み競争の方が優先されたのでしょう。
なお、売買手数料ゼロに関して、特別な操作は必要ありません。
リアルタイム為替取引なら為替手数料ゼロ
米国ETF購入の操作を進めると、決済方法を選択する場面があります。
具体的には、円で買うのか、ドルで買うのか、という選択です。
ここで「円で買う」を選択してしまうと、為替手数料がゼロになりません。
新NISA開始直前に、各証券会社が為替手数料ゼロとしたのは、リアルタイム為替取引だけだからです。
決済方法として「円で買う」を選択すると、リアルタイム為替取引ではなく、定時為替取引となるため、しっかり手数料が発生してしまうのです。
したがって、為替手数料ゼロにするためには、いきなり米国ETFを買い注文するのではなく、まずドルを買いましょう。
一例として、楽天証券HPでのリアルタイム為替取引の画面は以下のとおりです。
リアルタイム為替取引により、為替手数料ゼロでドルを購入したら、次に米国ETFを「ドルで買う」で買い注文します。
以上で、米国ETF購入に関する為替手数料をゼロにすることができます。
外貨建てMMFの活用でさらにお得に
ドルをお得に買えるタイミングは、円高ドル安の時です。
米国ETFをお得に買えるタイミングは、株価が下落して安値の時です。
為替のタイミングと株価のタイミング、この2つが同時期であれば、何の問題もありません。
しかし、この2つタイミングが合うというのは、経験上なかなかありません。
例えば、新NISA開始前後の時期、米国金利が高止まりしており、今後は利下げに移行するとの観測があります。
高金利の時期が長く続いたため、米国債券ETFの価格は歴史的に見てかなり安値となっています。
一方、米国金利が高く、日本がマイナス金利であるため、相当な円安ドル高になっています。
つまり、EDVなどの米国債券ETFを購入する場合、為替のタイミングと株価のタイミングが全く合っていないのが、現在の状況です。
円高ドル安の時にドルを買い、円安ドル高の時にドルを売ろう
米国ETFの購入を、「円でドルを買う」と「ドルで米国ETFを買う」の2段階に区分すると、これらを同時期に実施する必要はありません。
ドルを買うという行為は、シンプルに円高ドル安の時に終わらせて、外貨をプールしておきましょう。
むしろ、ドル買いと株買いのタイミングを選べることによって、
- 円高ドル安でドルを安値で購入
- 株価下落時に安値で株数を大量購入
- 分配金(売却金)はドルで受け取り証券口座に保持
- 円安ドル高で円を安値で購入
このように、為替・株の取引き自由度が増します。
投資信託にはできない、米国ETFならではのメリットですね。
為替トレーダーのように、機微な相場は読む必要はありません。
為替・株価チャートをネット閲覧して、大雑把な割高割安を把握するだけで、意識せず売買するよりも、かなりお得に運用できると思います。
ドル購入後、米国ETFの買い場を待つ間は、外貨建てMMFを活用しよう
外貨建てMMF(Money Market Fund)とは、外貨で運用される投資信託です。
投資信託の中身は、格付が高い短期の国債・地方債・社債などで構成されています。
元本保証はありませんが、比較的安全性が高い資産で運用されています。
ここ数年は米国の金利が高いため、ドル建てMMFの利回りは約4.8%と、高配当ETF並みに高くなっています。
証券口座にあるドルの待機資金(米国ETFの購入タイミング待ち、分配金のドル円変換タイミング待ちなど)を、運用せずに放置しておくのはもったいないですよね。
数か月~1年程度の待機資金運用として、外貨建てMMFはお得だと思います。
米国ETF購入時の画像を再掲しますが、「ドルで買う」を選択すると、下のチェックボックス「設定中の米ドルMMFを含める」が表示されます。
このように、証券会社のシステムとしてMMFを活用する体制が整っていますので、ドルの待機資金が生じたら、お得に使いましょう。